◉英語の音読が英語学習のキモ! 音毒にならないために
Sくん:先生は、音読、音読って言いますけど、なんで大事なんですか
T先生:音読は語彙学習を促進するからだよ。私たちが言葉をどう認識するかというと
①文字を見る→②文字を音声化する→③音と意味(イメージ)をつなげる→④意味の理解 となる。
Sくん:つまり音読できないと、意味が浮かんでこないということですか。
T先生:そうなんだ。頭の中で、デスクとかドッグという音に、机とか犬のイメージが合体している感じなんだ。
だからそもそも新しい単語を覚えようとしても、音声化できない(声に出して読めない)単語は、意味もくっつけようがない。覚えられないんだよ。音が先、そこにイメージがくっつかるんだ。
また、ドッグという音を聞いて、「犬」と和訳して理解する人は少ないと思う。もう音とイメージがダイレクトに連結しているんじゃないかな。和訳をすっとばしている状態だね。つまり意味や様子をイメージしながら音読をすることで、色々な文を和訳しなくても理解できるようになるんだ。これってリスニングやスピーキング、それにリーディングでも大いに役に立つよ。
音読は音毒になりうる
よくない音読1ー「から読みの音読」
T先生:意味(イメージ)を持たず、音だけ出している音読は「から読み」と言ってあまりよくないんだ。せっかく音読するなら、意味や、構文などイメージを思い浮かべながら音読した方が何倍も効果的だ。
Last month / I went to USJ / with my friends . USJ、友人などの楽しい思い出とともに声に出すといいね。
It’s important / for us / to learn foreign languages. 「重要だ / 私たちが / 外国語を学ぶことは」なら、外国語を学んでいる様子を思い浮かべたり、それを使ったりしている様子を思い浮かべながら音読する。また、It = for (〜が)to V(〜すること)ということも視野に入れつつ音読する。
まとめ:なにも考えず音だけ出す「から読みはダメ」だと覚えておこう。
よくない音読2ー「母音1つで1拍のリズムを意識しない音読」
T先生:例えば Can I keep it? 「それ俺が持ってていい?」を「キャン アイ キープウ イットオ?」と読んでもあまり意味はないんだ。キャ・ナイ・キー・ピッ?と読まないと相手にも伝わりにくく、またリスニングでは使えない音読になる。
英語はシラブルベースの言葉なんだ。つまり母音1つで1拍だ。母音2つなら2拍になる。get to なら2拍。だから「ゲッ・トウー」と2拍におさめて発音する。「ゲットオ・トウー」はだめ。「タッ・タ・ター」と3拍になるから。
Sくん:なるほど。拍数におさめて発音することが重要だから、音が消えたり変化させるんですね。
T先生:その通り。手を叩きながら言ってみよう。at that time なら、3拍。タンタンタンで「アッ ザッ タイ(m)」となる。
Sくん:at や that の最後の t の音が聞こえませんね?
T先生:じゃないと3拍に収められないよね。Can you...?も 2拍。速く読むとCa nyou キャ・ニューとなる。Thank you. も2拍でおさめて発音。だからサンクユーではなく、than kyou サン・キューとなる。
よくない音読3ー「強弱のリズムが等間隔で現れない音読」
T先生:英語は「動詞、名詞、形容詞、副詞」には強く読むところがある。それ以外は代名詞とか前置詞とかは基本弱く速く読むんだ。例を出そう。Press it / with your finger. 「それを押して /指で」 プレ・スィッ・ウィズヨ・フィンガー 動詞 press, 名詞 fingerに強く発音する箇所があるね。一方 it と with yourは弱く速く発音される。手をゆっくりタンタンと2回叩く間に発音しよう。 プレ・スィッ・ウィズヨ・フィンガー ウイズヨは2語まとめて弱く速く読まないと、強弱のリズムに合わなくなることがわかるでしょう。
逆に言えば、次の音読を心がけることが大事だ。
イメージを持った(意味も構文も)音読
母音1つで1拍を徹底するから起こる、音がくっつかたり・消える音読
強弱のリズムが等間隔で現れる音読